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「不便であっても不幸じゃないんや」〜雑賀さんのお話から〜

 2月9日(木)視覚障がい者の雑賀利幸さんに来ていただいて、4年生が学習をしました。
雑賀さんには、一昨年より毎年4年生がお話を聞き、学んでいます。
 雑賀さんは、網膜剥離という病気で中学生のときに片方の目を、高校生で両目の視力を失われました。はじめに子どもたちと約束をされます。それは「話を聞いて、うなずいたり、手を挙げたりしても見えないので、『ふう〜ん』とか『はい』とか声だしてや」ということ。
 雑賀さんのお話はまるで「落語」のよう。随所に笑いを入れ、子どもたちを雑賀ワールドに引き込みます。
「まずは、自己紹介や。さいがとしゆきと言います。まあ、君たちと僕の仲やから、(どんな仲やねんと一人つっこみ)トシちゃんと呼んで。トシちゃんやで。トチちゃんとちがうで。トチちゃんと言うたらこけてしまいそうになるからなあ。(笑)」
「トシちゃんは何歳やと思う?」
子どもたちは口々に「42歳!」「45歳!」「78歳!」「えーっ、それは失礼やろ」
「実は、おや歳・・・ちがうで。ごめんな歳・・・ともちがう。(笑)昭和42年生まれ、49歳です。」
「仕事もしてるよ。学校の先生している。」子どもたちは「へぇ〜」と驚きの表情。
雑賀さんは、ヘルパー養成の学校の先生と高校で点字を教える先生でもあります。
「趣味はハイキング。バイキングちがうで。あれは食べるほうやからな。」(笑)
「パソコンも趣味の一つ。何でパソコンができるか不思議やろ。」キーボードを押すと音声の出るパソコンを持ってきてくださっていました。このパソコンを使って、雑賀さんの日常の動画や写真を見せて下さることになります。
 「日常生活の話するわな。食事はどんなふうに食べているか。後で給食一緒に食べるから、よう見といてや。しかしいちいち実況はせんでええで。『おーっ、食べた食べた。今、牛乳を飲みました』とか。」(笑)
「お風呂はどうしてるかわかる?みんなと一緒や。普通。みんなも体洗うとき、いちいち見てへんやろ。今日は右のおしりがよごれたからいうて、おしりのぞいて洗うか?」(笑)
「字も書けるで。」えーっと子どもたち。「なんていう字書こう?」すかさず『大地』って書いて!」と森大地くん。雑賀さんが黒板に「大地」と書くと、「うわあーっ」という歓声と拍手がおくました。
 雑賀さんから、子どもたちへの質問もありました。「目が見えないことでよかったと思うことあると思う?」子どもたちは「道を歩いているときに、人が教えてくれること」「見たくないものを見なくてすむ。」「こわいものを見なくてよい」と考えて発表します。
雑賀さんは、「うん、みんなが言ってくれたことも正解や。他にもあるよ。人前で話すのも緊張せえへん。みんな大勢の人に話すのって緊張するやろ。人人光線浴びるからなあ。僕は何人いたって平気や。壁に向かって話してるのと変わりない。それから、みんなと出会えたことも、目が見えへんお陰。目が見えてたら、ただのおっさんや。ただのおっさんの生活の話聞いてもしゃあないやろ。」(笑)
と、まだまだ話は続くのですが、後半は、視覚障がいのある人のためのグッズの紹介や体験コーナーがあり、驚きと発見の連続でした。来年度も来ていただこうと思いますので、紹介は控えておきます。話が終わると、子どもたちからの質問コーナーでしたが、次から次に質問が出ました。それだけしっかり話が聴けて、考えたことがあったのでしょうね。
 軽妙な語り口の中に、大切なことをいっぱい詰め込んだお話。へえ〜って思う体験。
 最後に雑賀さんがおっしゃられたことを、みんなの胸に刻んでおいてほしいと思います。
「みんな、僕の話を聞いて、目の不自由な人ってかわいそうやなあって思った?みんなは、自分が周りからかわいそうな人と思われてうれしいかい?かわいそうと思ってもらってもうれしくないよね。目が見えないことは不便なこともあるけれど、決して不幸なんかじゃないんや。だから、不便なところ、できないところを、思いやりをもって手伝ってください。」
発見と気付きの貴重な出会いでした。人権教育にむずかしいことはいりません。まずは、本当のことを知ることからなのだと思います。
 お話の後は、給食を一緒に食べてもらいました。
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