学校教育目標「たくましく大きく生きる」

年度末

 本日が、令和元年度末となります。保護者の皆さまにおかれましては、学校運営に対して、ご理解ご協力を賜り、本当にありがとうございました。赴任一年目ということで、不足のことも多々あったとは存じますが、皆様のおかげで何とかこの日を迎えることができ、深く感謝しているところです。「終わり良ければ」と申しますが、思いもよらぬ感染症の拡大で、学校の機能がマヒするような状態が今も続く中での年度末を迎えることに忸怩たる思いを持ちます。未曽有の、国難ともいうべき状況ではありますが、「明けない夜はない」ということばを胸に、職員一丸となって乗り越えていく所存であります。どうか皆さまもご自愛いただき、何よりも「うつらない」「うつさない」行動を、引き続き、強くお願い申し上げます。

修了式

本日の修了式で、生徒に伝えた式辞を掲載します。


 皆さん、長い休校期間が続きましたが、体調を崩すことなく過ごせましたか。
 この修了式も、もしかしたら実施できないのではないかと、ずい分心配していました。皆さんを前にして話したいことはたくさんあるのですが、長時間多くの人が集まることは避けなければならないので、今日は大きく二つに絞りたいと思います。
 大きな一つ目、卒業式で三年生に送った言葉の紹介です。本来なら二年生は参加して聞いていたはずですが、それが叶わなかったので、一年生とともに聞いてください。

卒業生には、二つの事柄を伝えました。
 まず、「正しい判断ができる」ということです。今回の出来事で、ネット上などでの「デマ」や「風評」に踊らされる大人たちの姿を目の当たりにして、皆さんはどう感じたでしょう。「何が正しくて、何が正しくないのか」しっかりと見極める目を持つことは、とても大切なことです。溢れる情報に流されず、その中から、いわゆる「本物」を見つけ出すには、それなりの知識と経験が必要です。成功や失敗を重ねながら、ぜひその力をつけてください。もう一つは「自分を信じる」ということです。時代はますます不透明となり、しばらくこの傾向は変わらないでしょう。しかし、歴史を振り返ってみると「変革」は必ず若者によって成されてきました。この世界を、今よりずっと明るく、そして希望に満ちたものに変える力を秘めているのは皆さんです。「自分なんて」と何もしないうちから諦めてしまうのではなく、「自分自身」を含めた、たくさんの若い人たちが持つ可能性を信じてほしいと思います。
卒業生に伝えたこの二つのことは、皆さんにも覚えておいてほしいと思います。
 
大きな二つ目は、今後の見通しが分からない状況だからこそ、規則正しい生活を心がけてほしいということです。大人でさえこのような中で、日々の生活をコントロールしていくのはとても難しいものです。先生方も苦労しています。しかし、学校生活があるときのように、決まった時間に起き、決まった時間に食事をとり、決まった時間に寝るという当たり前のことが、結局、自分自身を守り、正常な社会に戻った時、スムーズに自分を合わせていけることにつながるはずです。

 まだまだ安心できる状態になるには時間がかかりそうですが、何より皆さんが心身ともに健康であってほしいと願います。

卒業式 式辞

先日実施した、「第38回 卒業証書授与式」の式辞です。

 三十八期生の皆さん、卒業、おめでとう。
 国難ともいえる状況でも、縮小した形ではありますが、卒業証書授与式を実施できたことを、嬉しく思っています。
 この良き日、新たな一歩を踏み出す皆さんに、これからの社会を生きて行くうえで、ぜひ身に付けていただきたい二つのことを話します。
 まず、「正しい判断ができる」ということです。今回の出来事で、ネット上などでの「デマ」や「風評」に踊らされる大人たちの姿を目の当たりにして、皆さんはどう感じたでしょう。「何が正しくて、何が正しくないのか」しっかりと見極める目を持つことは、とても大切なことです。溢れる情報に流されず、その中から、いわゆる「本物」を見つけ出すには、それなりの知識と経験が必要です。成功や失敗を重ねながら、ぜひその力をつけてください。
 そしてもう一つは「自分を信じる」ということです。時代はますます不透明となり、しばらくこの傾向は変わらないでしょう。しかし、歴史を振り返ってみると「変革」は必ず若者によって成されてきました。この世界を、今よりずっと明るく、そして希望に満ちたものに変える力を秘めているのは皆さんです。「自分なんて」と何もしないうちから諦めてしまうのではなく、「自分自身」を含めた、たくさんの若い人たちが持つ可能性を信じてほしいと思います。
 さて、保護者の皆さま、お子さまのご卒業、本当におめでとうございます。深い愛情を持っていつくしみ、大切に見守ってこられたご苦労に対しまして、改めて敬意を表しますと共に、これまで本校の教育活動に、温かいご理解とご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。このような状況下での式ではありますが、だからこそ、一層心に残るものになると思っています。
 卒業生の皆さん、今日まであなたを育ててくださったご家族に、ぜひ「ありがとう」の気持ちを伝えてください。お世話になった教職員や地域の方たちにも、感謝の気持ちを伝えてもらえたら、これ以上のことはありません。
 最後に、皆さんは「予祝」というものを知っていますか。「予祝」とは、あらかじめお祝いをしてしまうことで、幸せを呼び込むことです。この地域で山車(だんじり)を引きまわして豊作を願う秋祭りも「予祝」の一つです。
 また日本には「言霊」という考えもあります。そこで、私はこう言って皆さんの前途をあらかじめお祝いし、式辞とさせていただきます。
 「第三十八期 卒業生の皆さん。皆さんの前途は光り輝き、大きな希望に満ち溢れています。」


公立入試

 さあ、いよいよ明日が公立一般入試です。本日午前中に、明日の入試に向けての事前指導がありました。ほぼ全員が元気そうで、久しぶりの登校に嬉しそうな様子が見て取れました。学年の先生も、子どもたちの顔を見て、緊張感を持ちながらもホッとした表情でした。やはり校内に生徒の声が響いているのはいいものです。
 明日は、これまでの努力の成果を存分に発揮してもらいたいと思います。同時に、マスク装着や、高校で準備されている手指の消毒などを怠ることなく実行し、コロナウイルス感染予防に努めてください。皆さんの健闘を祈っています!!

休校二週目

 学校が休校になって二週目を迎えました。皆さんは元気に過ごしているでしょうか。先週の金曜日に先生方が課題などのポスティングに出ても、「誰にも会いませんでした」とのこと。ほとんどの人が指示を守って自宅待機してくれていたみたいです。ニュースによると、大阪でも感染が広がっているようですが、皆さんは情報に惑わされることなく、今できることを淡々とこなしてください。ダラダラするのではなく、規則正しく生活することが、結局感染防止にもつながると思います。不自由な日々が続きますが、今しばらく我慢してください。
 『罪の声』という本を読みました。昭和に起こった未解決の「グリコ・森永事件」(どんな事件だったかは、自分で調べてみてください)を題材にした長編小説です。分厚い本でしたが、とても面白いものでした。今度映画化もされるそうです。この機会を使って、皆さんは何か読みましたか?

発想を変える

 昨日より「新型コロナウイルス感染防止のための休校措置」が始まっています。マスコミなどの報道によって、不安ばかりが先行してしまいがちですが、今は指示された事柄に従って、極力感染を防がなければいけません。手洗いや、しっかり栄養・睡眠をとるなど、できることは継続しましょう。
 せっかくできた家庭での時間を、できれば有意義に使ってもらえたらと思います。学校から出された課題に取り組むだけではなく、室内でも体操やストレッチを行う、家族との会話を楽しむといったことにも活用してください。特に私がすすめるのは「読書」です。日頃なかなか本を読むという時間が作れない人も、この機会にチャレンジしてはいかがでしょうか。

進路会議

 本日15:00より第4回目となる進路の会議が開かれました。私学入試を終え、いよいよ公立高校への出願となります。様々なデータをもとに、子どもたちの現時点での希望を照らし合わせ、意見を出し合います。担任や学年の先生は、何とか希望をかなえてもらいたいと一生懸命です。一人ひとりについて、時間をかけて相談した内容を、次週18日より始まる進路懇談でお話する予定です。最終決定は自分自身(もちろんご家庭の意向を踏まえて)です。担任の先生とよく話し合い、自分の進路をしっかりと決めてください。そして、その後は学習あるのみです。頑張ってください!!

初陣

 本日、私学入試一日目です。早朝より学年の先生を中心に、鴻池新田駅でのチェック・見送り、学校待機で連絡対応と慌ただしく動きました。幸い大きなトラブルなく、生徒たちは緊張感を持ってそれぞれの受験校に赴きました。私も学校待機をしながら、校門前集合の最終組を送り出しホッと一息です。金曜日に事前指導で「健闘を祈る」とエールを送りましたが、今日が本番、実力を発揮できることを願うばかりです。明日は祝日ですが、面接などで再び受験校に向かう者もいます。校長面接で練習した成果を見せてくれることを期待します。頑張れ!!

私学入試直前

 いよいよ3年生にとっての正念場が始まります。週明けの私学入試に向けて、本日6限に体育館で事前指導を行いました。私も冒頭の時間をもらってエールを送りました。その中で、実力を発揮するためには気持ちの余裕が大切だということを、大きな会場で試合を行う時になぞらえて説明しました。「アウェーとホームということばを聞いたことがあるでしょうか。アウェーとは敵方のコートで戦うこと。ホームとは自チームのコートで戦うことです。当然ホームで戦う方が有利です。入試会場はいわばどの学校の生徒にとってもアウェーと言えます。ならば少しでもホームに近い状態にしてしまいましょう。そのためには笑顔であいさつすることです。案内をしてくれる方、説明をしてくれる方。会場ではその学校の先生が様々な役割で皆さんを迎えてくれます。機先を制して、こちらからにこやかにあいさつしましょう。きっと相手も笑顔で挨拶を返してくれるはずです。声を出すことで気持ちも前向きになり、柔らかな表情は心の余裕も生むでしょう。知らない場所ではなく、笑顔で挨拶を交わした人たちのいる、ホームのような場所で試験に望めば、きっと結果はついてくるはずです。」皆さんの健闘を祈ります。

子育て講演会

 諸福小学校で、地域教育協議会主催の「子育て講演会」に、生徒指導担当と共に参加しました。講演者は「オータニ モンゴルの里」から招いたスーホさんです。小学校2年生で学習した「スーホの白い馬」(モンゴルの民話)をもとに、モンゴルの暮らしや文化の紹介、馬頭琴の演奏、羊の骨を使った遊びなどを学びました。参加した小学3年生が馬頭琴の音色を鑑賞し、手にした骨で楽しく遊ぶ姿に、見学に来られた保護者や地域の方からも笑みがこぼれます。やはり目の前で見たり聞いたりするものは迫力が違います。とても寒い中ではありましたが、元気な子どもたちと一緒に、普段味わえない海外の文化に触れる機会となる楽しい時間が過ごせました。

思いやる

 先日、たまたま見たテレビ番組の中で、大きな病を抱えた女性が、様々な困難を乗り越えて結婚式を挙げるまでを追ったコーナーがありました。辛い状況に何度も打ちのめされながらも、家族や婚約者と共に前向きに日々を送る姿勢には感動しました。私が最も辛かったのは、その女性の両親が娘を想う姿でした。「自分の娘が」と思うと、特に父親の気持ちが痛いほどわかります。もっと若い時に観ていたら、きっと女性や婚約者の方だけにしか心が向かなかったでしょう。やはり同じような立場の人に、自分を重ねるものなのでしょうね。
当事者の立場に立って、その気持ちを慮るというのは、人間だけに与えられた大きな資質かもしれません。それは「思いやる」心に結びついています。また、人には「想像力」という資質もあります。現実に同じ立場にならなければ、その人の気持ちが理解できないということはありません。「想像力」をもって相手の立場に立ち、「当事者意識」のもとに「思いやる」。そんな力を子どもたちに育んでいくためにも、経験値の高い私たち大人が、まず意識したい大切なことだと思います。

インタビュー

 昨日、放課後に生徒会のメンバーから「校則の改訂」についてのインタビューを受けました。担当の先生に伴われて校長室に訪れた五人の役員から、いくつかの質問をされ、それに対して丁寧に答えていきました。生徒からインタビューを受けることなど、これまでになかったので、とても新鮮な思いがしました。だからこそ、子ども相手にというのではなく、真摯に対応しなければと気をつけたつもりです。最後の質問に「生徒会として、これから何をすべきだと思いますか」と問われ、「先生に『ああしなさい、こうしなさい』と言われて動くのではなく、自分たちで課題を持って積極的に取り組むことが、諸福中学校をより良くしていくのではないかな。誰もが学校に通うのが楽しいと思えるような学校にしてほしい。そのために活躍する生徒会が理想です」と伝えました。短い時間ではありましたが、生徒が頼もしく感じて、とても嬉しくなりました。

授業見学 再び

 2年生の英語の授業で、面白い取り組みをしているということで、さっそく見学させてもらいました。我々のよく知る「ことわざ」や「故事成語」といったものが、英語ではどのように表現されているかを調べ、オリジナルの「ことわざ」を作ろうというものです。(もちろん英語で。しかも、これまでに修得した「比較級、最上級」を活用する)見学した授業では、調べてきたものを前で発表した後、配布されたプリントに絵で表現するという内容でした。取り組み自体、とても楽しいものです。また、授業の途中で自由に動いてもいい時間がありました。「学び合い」のひとつの形式なのですが、子どもたちに「協同学習」が身についていなければ、たいていここで乱れてしまいます。しかし、この授業では、動きの中にも「学び」は続いていて、元の席に戻るとしっかり収束して次の作業に移ります。大したものだと感心しました。その授業の「ねらい」が理解され、達成のための手順が身についている一つのモデルのような一時間でした。

職業体験学習

 2年生の職業体験学習期間、本日が最終日となりました。校区連携も兼ねて、子どもたちがお世話になっている諸福小学校と諸福幼稚園に行ってきました。諸福小学校では、ちょうど昼食の時間で、3人の生徒がそれぞれ受け持ちのクラスで児童とともに食事をしているところでした。さすがに3日目とあって、違和感なくとけこんでいる姿にホッとしました。案内をしていただいた先生が、「ある生徒から『先生っていうのもたいへんやなぁ』ということばが出て、成長したなぁと感じました。」とおっしゃっていました。その生徒の小学生時代をよくご存じなので、そのことばには重みがあり嬉しく思いました。
 諸福幼稚園では、園長先生自らご案内いただいて教室を回りました。こちらは昼食が終わったころで、何人かの園児が「こおちょーせんせえー」と走り寄ってくれました。日頃小さな子たちと触れ合うことのない私は、抱き付いてくる園児をどう扱っていいのか戸惑ってしまいました。たくさんの園児の対応を毎日なさっている先生方に対して、素直に頭が下がる思いです。「こんなかわいい子たちが・・・。」とふと思いながら帰路につきました。
 職業体験学習が始まる前に、生徒集会で「『へぇーっ』と思えることを一つでも多く体験してきてください。」ということと、「体験したことをアウトプットすることで、自分の中にしっかり定着させましょう。」と伝えました。家で体験を語ることも大きなアウトプットの一つです。ぜひ時間をかけて子どもたちの話を聞いてあげてください。

25年

 阪神大震災から25年が経ちました。当然子どもたちは知らないし、保護者の皆さんも記憶が薄れているかもしれません。私はその時の、突き上げるような縦揺れと長く続いた横揺れが忘れられず、今でも小さな揺れでドキッとしてしまいます。家族の安全を確認し、登校した時の職員室の惨状や、体育館周辺の亀裂も鮮明に覚えています。家屋に被害を受けた生徒も多数いました。
 近年、日本はいくつもの災害に見舞われてきました。温暖化につれて、その傾向はさらに増えているそうです。震災で亡くなった方に哀悼の意を表すると共に、今一度防災について考える日にしたいと思います。

「本物」を目にして

 先日、フィギュアスケートの浅田真央さんのアイスショーに行く機会がありました。本校から近いラクタブドームが会場で、超満員の観客の見守る中、素晴らしい演技を観ることができました。強く印象に残ったのは、数千人(もっと多かったかもしれません)の観客の息遣いが聞こえるほどの静寂をもたらす、圧倒的な「本物」のオーラを感じることができたこと。そして終演後、満足気に帰路につく人々の笑顔です。このツアーは浅田さんが、これまで応援してもらった感謝の気持ちを伝えるために企画したもので、地方の小さなリンクまでもコツコツと回っているのだそうです。そんな思いも込めた演技だからこそ誰もが感動したのでしょう。
 生徒集会で、その話をしながら、進路について触れました。「皆さんはいずれ仕事をすることになります。しかし誰もが華々しい舞台で活躍する訳ではありません。世の中になくてはならないものの、地味で目立たない職で頑張ることの方が多いでしょう。しかし、どのような職種であれ、心を込めて一生懸命働くところには、きっと感動を与えるものがあるはずです。浅田さんのように、選んだ職業が本当に好きで、一途に頑張り続けることができる、そんな進路を見つけることができればいいですね。」

始業式にて

 二学期の終業式で、新たな年の目標を持とうと呼びかけました。三学期の始業式でそのことに触れ、「みんなに目標を持とうと薦めながら自分は考えていませんとは言えない。私は今年一年の間に50冊以上の本を読みたいと思います。」と宣言しました。その時に「今読んでいる本ですが」と紹介したのが『蜜蜂と遠雷』という恩田陸氏の作品でした。早速読み終えたのでご報告します。
直木賞、本屋大賞W受賞の長編大作。世界的ピアノコンクールに参加する、若きピアニストたちの姿をみずみずしく描いています。爽やかな青春群像劇であると共に、音楽やピアノコンクールなどに詳しくない者にも、その醍醐味の一端が味わえ、読み始めてすぐ、物語の世界に引き込まれました。ピアノ演奏を文章でイメージさせることに成功した稀有なものになっていて、いわば「音」を「文字」に置き換えるという驚きの手法が功を奏しています。すぐれた小説は、随所に映像を想像させるものですが、まさにそういった出来栄えの一冊です。映画化もされていて、一時、職員室でも話題になっていたそうです。興味のある人はぜひ読んでみてください。

新年のご挨拶

 保護者の皆様、あけましておめでとうございます
 昨年は、諸福中学校の運営に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。本年も子どもたちの成長のために、職員一丸となって取り組む所存でございます。何卒ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。
 皆様方におかれましても、この一年が実り多きものになりますことを祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

本を読もう

 3年生の校長面接で、いくつかのグループに「最近読んだ本があれば教えてください」と言いました。残念ながら答えられる人は少なかったです。生徒集会でも「読書の習慣をつけましょう」と伝えましたし、入学説明会の中でも「まず大人が本を読みましょう」と言いました。ならば当然、私自身が本を読まなければ矛盾します。それに、読んでもいない本を「これはいいよ」などと無責任に薦めるわけにもいきません。そこで、実際に読んでみて「これは面白い」と思った本に出合った時、〈読書案内〉として紹介していこうと思います。まず、読み終えたばかりの『オリジン』です。皆さんは『ダ・ヴィンチ・コード』という小説を知っているでしょうか。アメリカのダン・ブラウンという作家が書いたもので、各国でベストセラー、社会現象にまでなったものです。映画化もされ、トム・ハンクス主演で大ヒットし、その後シリーズ化されました。主人公はラングドンという大学教授で、その最新作が『オリジン』です。科学と宗教という、少し難しいテーマも含んでいますが、スピーディーな展開とラストのどんでん返しは、まさに映画を見るようです。久しぶりに一気読みしてしまいました。もう一つ、このシリーズの魅力があります。舞台となる都市の観光名所が興味深く関わっていて、どうしても行ってみたくなることです。今回の舞台はスペインでした。少し長い小説ですが、読み終えるとハマってしまうかもしれませんよ。

ささいなこと

 寒い朝というのは、なかなか気持ちが上がらないものです。そんな思いで登校途中、本校のすぐ近くにある緑道にさしかかった時、本校の生徒数名が道路を横断しようとしていた場面に出合いました。車が止まって三人ほどの女子生徒が道路を横切っていきます。彼女たちは停車してくれたドライバーに向かって、しっかりとあいさつしていました。生徒が横断するのに、朝忙しい中、道を譲ってくれたドライバー。それに対してお礼を返すことを忘れない諸中生。どちらの姿も非常に気持ちの良いものでした。ささいなことかもしれませんが、見ているこちらも嬉しくなるような場面に「今日も頑張るか」と思えたひと時でした。
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