思いやる
先日、たまたま見たテレビ番組の中で、大きな病を抱えた女性が、様々な困難を乗り越えて結婚式を挙げるまでを追ったコーナーがありました。辛い状況に何度も打ちのめされながらも、家族や婚約者と共に前向きに日々を送る姿勢には感動しました。私が最も辛かったのは、その女性の両親が娘を想う姿でした。「自分の娘が」と思うと、特に父親の気持ちが痛いほどわかります。もっと若い時に観ていたら、きっと女性や婚約者の方だけにしか心が向かなかったでしょう。やはり同じような立場の人に、自分を重ねるものなのでしょうね。
当事者の立場に立って、その気持ちを慮るというのは、人間だけに与えられた大きな資質かもしれません。それは「思いやる」心に結びついています。また、人には「想像力」という資質もあります。現実に同じ立場にならなければ、その人の気持ちが理解できないということはありません。「想像力」をもって相手の立場に立ち、「当事者意識」のもとに「思いやる」。そんな力を子どもたちに育んでいくためにも、経験値の高い私たち大人が、まず意識したい大切なことだと思います。 |
|