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中学校給食について、校長の独り言

かつて、食の指導は、家庭の役割だった。足らないところを補充するために、戦後学校給食が始まった。今や食は、教育の重要な柱となり、「食育基本法」という法律まで施行された。この法は、一言で言うと「食を通して子どもたちの生きる力を育もうとしているもの」である。それほど子どもたちの食は、飽食の中乱れているからなのであろう。乱れた食生活が、子どもの心と頭と身体に深く関わっているという調査結果がこのところ相次いで発表されている。
それなのに、先日雑誌を読んでいて目を疑うような記事に出会った。この数年間で、中学生の打ち上げが広まっているというのだ。文化祭、体育祭、合唱祭、卒業式などが終わった後、中学生が集まってファミリーレストランなどで飲食をするらしい。
千円から二千円程度の会費で「ドリンク飲み放題にピザ」「焼き肉食べ放題にドリンク飲み放題」で大騒ぎして楽しむという。好きなときに好きなだけという食べ方は、生活習慣病一直線の文化のない食べ方である。食べ物はオモチャではない。また、この国には、世界が憧れている、鍛えられ生き残ってきた和の食文化が歴然としてあり、その中には民族の身体や暮らしを守る知恵が溶け込んでいるはずだ。
一例を挙げれば、一般に外国から日本に留学してきた学生は、随分とスマートになって帰国し、逆に日本から外国に留学して学生は、数キロも太ってしまうのだという。
改めて日本版ミシュランガイドを読まなくても、私たちの国には、素晴らしい食文化がある。例えば、食べ物への感謝の気持ちを表す「いただきます」「ご馳走様」という言葉だけを取り上げても世界に誇り得るものである。自らの命を維持するために生き物の命を頂きますという意味の「いただきます」。そういえば、食べ物はもとをたどれば全て生き物である。あるいは、走り回って努力して獲物をとって客人をもてなすという命がけの行為に対して、深い感謝の気持ちを込めた「ご馳走様」。そういえば、『馳』も『走』も『はしる』という意味で、苦労して走り回って手に入れた食べ物を頂いたのだという厳粛な意味が込められている。
また、主食(ご飯)とおかず(魚や野菜)と汁物の代表的な食事は、1回の食事としては実にバランスがよく、ヘルシーだということで国際的にも高い評価を受けている。
※日本政府が提案していた「和食 日本人の伝統的な食文化」が、ユネスコの無形文化遺産に登録された。
食習慣としての味覚や嗜好は10歳ぐらいまでに形成されると聞く。私自身母親の高野豆腐の味が40年以上経っても、その舌に染みついて離れないように、子ども時代の食の記憶が、大人になってからの食習慣を支配する。伝えるべき文化としての食の文化を、学歴を大切にするのと同様に、食歴にもこだわって、我が子を育てて頂けたらと思わずにはおられない。
そして、子どもには食べ物をオモチャ扱いせず、今のこの瞬間にも餓死していく子がいるという想像力、生き物を犠牲にしているからこそ自分の命があるのだという感性、それらを心の奥底にしまっておいてくれることを、切に願う。
人間もたかが生き物である。生き物と食は一生切り離せない。出来る限り、より質の高い食文化を親から子へ、子から孫へ伝承していきたいものだ。

私のような思いを持った校長にとって、大東市が、中学校給食について全員喫食という英断をくだし、この短期間で実行されたことを誇りに思うとともに敬意を表したい。
また、東坂市長さんと実行部隊である市教委の職員の奮闘ぶりには畏敬の念さえ抱く。
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