読書の夏宿題でなくても、夏休みは普段より時間に余裕がありますから、「読書の夏」を過ごした人も多いのではないでしょうか。 図書委員のお薦めリストを見ていると、有川浩・東野圭吾・山田悠介・東川篤哉・「もしドラ」などやはり中学生に人気の作家、作品が並んでいます。 皆さんがどんな本を読んで、どんなことを感じたのか。今しか出会えない本、言葉があると思います。 最近、脳科学者の茂木健一郎さんのこんな名文に出会いましたので、少し長くなりますが紹介します。 「手の中のたった一つの貝殻が海の中の豊かな営みのありさまを伝えてくるように、一つの言葉が、その人生のさまざまを引き受ける。言葉は人生の分泌物である。一つの言葉に、その人の生の履歴のすべてが込められていることがある。 言葉が軽い時代。今日においても、人々を立ち止まらせる言葉は果たしてあるのだろうか。私たちは、生の営みを支えてくれるような言葉の数々に出会うことができるのだろうか。 それに出会うことで時間の流れが止まってしまうような、そんな言葉を探す旅に出ようと思う。南の島々を歩いていて、足もとの貝殻にふと目が留まるような、言葉との偶然の出会いを求めたい。」(「心と脳に効く名言」PHP より) |
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