〜 夢見る学校 泉小 社会で強く生きぬく子どもの育成 〜

泉小児童のみなさんへ その6

「もう何もすることないし、ひまやなぁ」

これは校長先生が小学校4年生の時、夏休みのある日のつぶやきです。

友だちの家に行っても、みんな留守(るす)だったし、何も遊びたいこともないので、家の中でごろごろしていました。

昼寝でもしようと思って、机の上にあった分厚(ぶあつ)い本をまくらにして、寝ていました。

じつは、お誕生日にいとこの友だちから、大きな四角い箱のプレゼントが届いて、「なにかなぁ。プラモデルかなぁ。」と思って、楽しみに開けてみたらなんと、とても分厚い本が出てきました。

マンガは大好きでよく読んでいましたが、字ばっかりの本はあまり読んでいませんでした。

「なあんだ、本かぁ。」そう言って、せっかくのプレゼントを机の上に放(ほう)り出したままにしていました。

朝、ないていたセミの声も聞こえなくなりました。

ごろごろしていても、つまらなくなり、ふと、まくらにしていた本の表紙を開けてみました。

その本は『二年間の休暇(きゅうか)』という題名でした。

「かわった名前の本やなぁ」と思いながら、読んでいくと、そこにはちょうどぼく(校長先生)と同じ夏休みに入ったばかりの子どもたちの様子が書かれていました。

(ここからは校長先生の心の中にのこっているお話のあらすじなので、ほんとうの本のあらすじとちがっているかもしれません。)

子どもたちは港町(みなとまち)に住んでいたのですが、遊びで港にとまっていた船にこっそり乗り込みます。

ぼくも子どものときに、近くのマネキン工場にともだちとこっそりしのびこんで、大人の人にみつかって、おおめだまをくらった(おこられた)ことがありましたよ。

さて、お話の子どもたちですが遊びで船を操縦(そうじゅう)しているうちに、本当に船が動き出してしまいました。そして、船はどんどん海の沖(おき)のほうへ進んでいきました。

そのうち、嵐(あらし)がやってきて、船はとうとう難破(なんぱ)してしまいます。

子どもたちは、幸い命は助かったのですが、まったく知らない無人島(むじんとう)に流れつきました。

それから、子どもたちは知恵(ちえ)を出し合って、食べ物を探したり、家を作ったり、力を合わせて島で暮らしていくようになりました。

「でとちゃーん。(校長先生の子どもの時のよび名)ごはんよー!」とお母さんに呼ばれても、「はーい。」と言いながら、もう本の世界に夢中になっていました。登場人物の子どもの一人にぼくもなっていたのです。

じつはその島は宝物がかくされている島だったのですが、海賊(かいぞく)たちがその宝をねらってやってきました。

子どもたちは、すごい作戦を考えて、力を合わせて海賊をやっつけてしまいます。海賊たちが乗っていた船で子どもたちが自分たちの町に帰れることになりました。

ところが帰るときもまた嵐にあってしまい、船に乗せていた宝物も海にしずんでしまいました。子どもたちはまた命は助かり、港町の海辺に流れ着くことができました。

「ただいまー!」家で心配していた家族のもとに帰ることができました。気が付くと二年間もたっていて、ながーい夏休みになってしまいました。

ぼくが最後まで本を読み終えたときには、夜中になっていました。

二年間、本に出てきた子どもたちと一緒に冒険(ぼうけん)して、はらはらどきどきしたり、わくわくしたり、帰ってきてほっとしたり、本の世界に入りこんで楽しかった体験(たいけん)は今も心の中にあざやかにのこっています。

みなさんもぜひ、本の中の世界で冒険してみましょう。

来週、4月21日(火)と22日(水)に家の人に泉小に行ってもらって、新しい学年の教科書(きょうかしょ)をもらってきてもらいます。

まだ、しばらくは学校に行けないので、いろんな教科の教科書を読んでみてくださいね。

ちなみに、6年生の国語の教科書に新しく入ったお話『帰り道』(森 絵都作)は、とてもおもしろいですよ。おすすめです。

今日も元気でいてくださいね。

泉小学校 校長先生より


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