
木原さんは学校の予定を組み入れて、年間の読み聞かせカリキュラムを組んでいる。
こんなことを感じてほしい、こんなことを知ってほしい、そう思わせるお話会を行っている。年間の予定表には、月と学年毎に赤い字の、たくさんの本が並んでいる。予定通りに読み聞かせた本は赤い字を黒い字に、色を変えていく。予定になかったが、読み聞かせした本も色を変えてデータに入れていく。一年間を終えて表を見ると、一目で読んだ本、読めなかった本、予定外だが読んで良かった本がわかる仕組みだ。来年度に向けて計画を立てる指針になるし、自分の励みにもなるという。
たとえば、1学期に大阪産業大学の留学生を受け入れて交流する。国際理解という視点から各学年にいろいろな国のお話を読み聞かせる。たとえば、1年生に、スリランカが舞台の『きつねのホイティ』(シビル・ウェッタシンハさく/福音館書店)を、3年生には朝鮮のお話『さんねん峠』(李錦玉作/朴民宜絵/岩崎書店) などを読み聞かせた。いろいろな国があるんだよということを伝えたいという思いからである。
6年生に『オリバーくん』(ロバート・クラウスぶん/ほるぷ出版)を読み聞かせた時には、小さい子向けの本と思われる絵本なので「なぜ、今日はこの本読んだと思う?」と問いかけたそうだ。「人の言いなりにばかりなっていては、いけないよ、これからは自分で決めていくことも必要なんだよということを伝えたかったんです。」そう木原さんは話してくれた。木原さんの読み聞かせにはたくさんの思いが込められているのだ。
また、木原さんのちょっとした呼びかけで、子どもたちの読み聞かせも自然な形で行われているそうだ。昨年の春に出された図書室便りにはこんな事が書かれていた。「2〜6年のお姉さん、お兄さん、1年生を見かけたらそばで絵本を読んであげてくださいな。読んでもらうのが大好きな1年生です。」
なんだか、自然と優しい気持ちになってくる。